陶芸作家の真下秀美氏の工房「陶真窯」は、京都府北部日本海沿いに位置する与謝野町、大江山の山麓にあります。
真下氏は京都清水で経験積まれ、その後作家として独立され、丹後に戻り、作家活動をされています。
以前は陶器と磁器の両方を制作されていましたが、現在では陶器に専念されています。
陶真窯では、通常はガス窯で焼成されますが、自作の穴窯を設置され、年1回程度、陶芸教室の生徒も参加して焼成を行なっていました。

穴窯

「穴窯」は、「登り窯」と同じように薪で焚く陶芸窯ですが、焼成室が階段状に分かれている「登り窯」の違いは、焼成室が一部屋ということです。4日間以上昼夜連続で薪を焚き続けるために窯焚きは徹夜の共同作業となります。
薪で焚く窯は、「周囲の温度」「薪の種類」「最高焼成温度」「酸化・還元状態の状況」「灰による自然の釉薬かかり具合」「窯内で作品の置く位置」など、さまざまな条件や偶然が重なり唯一無二の作品が生まれます。

焼き締め

「焼き締め」とは、一般的な陶磁器の表面を覆うガラス質、いわゆる「釉薬」を用いずに焼成する方法で、土の色味を生かす焼成と言えます。器はガラス質の釉薬で覆われないため、生地に水分を含み易くなり、経年変化などが起こり易くなります。陶真窯では
写真の作品は「練り込み」と言われる、複数の色味の異なった土を層状に重ねる手法で成形後、焼き締めで焼成された鉢です。

磁器

真下先生が過去に制作された磁器作品です。
おおらかな曲線の造形が魅力的の水盆と、天橋立の松並木を力強い筆使いで描かれた上絵付けの皿です。

意匠

真下氏は、京都で作家活動されていた時期は陶芸作家として現代工芸美術作家協会に所属し、受賞歴もあります。
陶板や斬新な花器など、多彩な作品を制作されてこられました。

茶道具

陶真窯で制作される作品は、食事で使用するものから、茶道具として使用できるものまで幅広い器になります。
特に、茶道具は土の味を生かした多彩な作品があります。

工房周辺の風景

大江山の山麓にある工房の裏には小さな池があり、四季の自然を楽しむことができます。
日本海側の気候のため、冬には積雪することがあります。